自分には何もないと思ってしまう人へ

「自分には何もない」

そう感じてしまうことは、誰にでもあると思います。

特別な才能があるわけでもない。
人に誇れるような実績もない。
資格もない。
お金もない。
自信を持って語れる夢もない。

毎日、生活のために働いて、疲れて帰って、また次の日が来る。

そんな日々が続くと、いつの間にか、自分の中にある可能性まで見えなくなっていきます。

そして、心の奥でこう思ってしまう。

「自分には、何もないんじゃないか」

でも、僕はそれをすぐに否定しなくてもいいと思っています。

無理に、
「そんなことない」
「あなたにも価値がある」
と前向きな言葉で塗り替える必要はありません。

なぜなら、そう思ってしまうほど、あなたの中には積み重なった疲れや諦めがあるはずだからです。

ただ、少しだけ考えてみてほしいのです。

本当に、何もないのでしょうか。

たしかに、今すぐお金に変えられるスキルはないかもしれません。
誰にでもわかりやすい実績もないかもしれません。
人前で堂々と語れる成功体験もないかもしれません。

でも、それは
「何もない」
ということと同じではありません。

多くの場合、自分には何もないと思ってしまう人は、本当に何も持っていないのではなく、
自分が持っているものを、まだ価値として見られていない
だけなのだと思います。

たとえば、これまで我慢してきたこと。
苦しくても続けてきたこと。
失敗して、悔しい思いをしたこと。
誰にも言えずに抱えてきた悩み。
何度も諦めかけたこと。

そういうものは、一見すると価値には見えません。

むしろ、自分では、
「こんな経験に意味なんてない」
「ただ遠回りしただけ」
「もっと早く行動していればよかった」
と思ってしまうかもしれません。

でも、その経験があるからこそ、同じように悩んでいる人の気持ちがわかることがあります。

自分がつまずいたから、つまずく人の痛みがわかる。
自分が遠回りしたから、同じように遠回りしている人に言えることがある。
自分が苦しかったから、簡単な励ましでは届かない人の気持ちにも寄り添える。

これは、立派な価値の種です。

ただ、それを価値として見直す前に、自分で否定してしまっていることが多いのです。

「自分よりすごい人はいくらでもいる」
「こんな経験、大したことない」
「誰かの役に立てるわけがない」
「自分が何かを語るなんて無理」

そうやって、自分の過去や経験にフタをしてしまう。

僕も、何度もそう思ってきました。

自分には足りないものばかりだと感じたこともあります。
もっと早く結果を出せていたらと思ったこともあります。
自分より進んでいる人を見て、落ち込んだこともあります。

でも、比較を始めると、きりがありません。

上を見れば、自分よりすごい人はいくらでもいます。
知識がある人も、実績がある人も、発信が上手い人も、行動が早い人もいます。

けれど、その人たちと比べるほど、自分の人生は見えなくなっていきます。

大切なのは、誰かより優れているかどうかではありません。

あなたがこれまで何を感じ、何を経験し、何に悩み、何を乗り越えてきたのか。
そこに目を向けることです。

「自分には何もない」と思うとき、人はだいたい、今の自分だけを見ています。

今の収入。
今の立場。
今のスキル。
今の結果。

でも、人の価値は、今見えている肩書きだけで決まるものではありません。

これまでの経験。
傷ついたこと。
悩んできた時間。
考え続けてきたこと。
それでも今日まで生きてきたこと。

そういう積み重ねの中にも、まだ使われていない価値があります。

過去を無理に美化する必要はありません。
苦しかったことを、すぐに前向きな意味へ変えようとしなくてもいい。

ただ、全部を
「無駄だった」
「価値がない」
と決めつけてしまうのは、少し早いかもしれません。

あなたが当たり前だと思っている経験の中に、誰かにとってのヒントがあるかもしれない。
あなたが失敗だと思っていることの中に、誰かが同じ失敗を避けるための材料があるかもしれない。
あなたが抱えてきた悩みの中に、同じように苦しんでいる人を少しだけ楽にする言葉があるかもしれない。

そう考えると、
「自分には何もない」
という言葉は、少し違って見えてきます。

何もないのではなく、まだ整理されていない。
何もないのではなく、まだ使い方が見えていない。
何もないのではなく、まだ自分で価値として受け取れていない。

そういう状態なのかもしれません。

もし今、自分には何もないと思っているなら、いきなり自信を持とうとしなくて大丈夫です。

まずは、これまでの自分を少しだけ書き出してみてください。

苦しかったこと。
悔しかったこと。
続けてきたこと。
やめたこと。
本当はやりたかったこと。
今でも心に残っていること。

最初から価値を見つけようとしなくても大丈夫です。

まずは、自分の人生を見える形にすること。
そこから、少しずつ見えてくるものがあります。

自分には何もない。

そう思ってしまう日は、誰にでもあります。

でも、その言葉だけで、自分の人生を閉じないでください。

あなたの中には、まだ言葉になっていない経験があります。
まだ整理されていない過去があります。
まだ誰かの役に立つかもしれない痛みがあります。

何もないのではありません。

まだ、使われていないだけかもしれません。

ススム

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次