音楽に本気だった頃の自分が教えてくれたこと

僕には、音楽に本気だった時期があります。

ただ好きだった、という軽い言葉では足りません。
人生をかけるつもりで、必死に向き合っていた時期です。

歌うこと。
言葉を書くこと。
曲を作ること。
自分の中にある感情を、音や言葉に変えること。

それが、自分にとっての生きる意味に近いものだったのだと思います。

もちろん、すべてがうまくいったわけではありません。

むしろ、うまくいかないことのほうが多かったです。
実力不足も感じました。
現実の厳しさもありました。
自分の限界を思い知らされることもありました。

それでも、あの頃の僕は本気でした。

今振り返ると、その本気の時間は、結果だけでは測れないものを残してくれたと思っています。

一つは、
何かに本気で向き合った記憶
です。

これは、あとから自分を支える力になります。

たとえ途中で道が変わっても、思うような結果にならなくても、
「自分は一度、本気で生きたことがある」
という記憶は消えません。

その記憶があるから、虚無の中にいても、どこかで思うのです。

「本当は、自分はこんなふうに終わりたいわけじゃない」
「もう一度、何かに本気になれるはずだ」
「このまま流されるだけの人生にはしたくない」

音楽に本気だった頃の自分は、今の僕にそう教えてくれています。

もう一つは、
過去の本気は、形を変えて使える
ということです。

音楽そのものを仕事にし続けるかどうか。
表現者として生きるかどうか。
それは人によって違います。

でも、本気で向き合った経験そのものは、別の場所でも使えます。

考え抜いたこと。
悩み続けたこと。
誰かに届けようとしたこと。
うまくいかなくても改善しようとしたこと。
自分の内側と向き合い続けたこと。

それらは、音楽以外の人生にも残ります。

だから、過去に本気だったことがあるなら、それを終わったものとして捨てなくていいと思っています。

今はもう続けていないことでもいい。
夢としては一度終わったことでもいい。
誰にも言わなくなった過去でもいい。

そこには、今のあなたを支える火種が残っているかもしれません。

大人になると、本気になることが難しくなります。

生活があります。
仕事があります。
責任があります。
体力にも限りがあります。

いつの間にか、無茶をしなくなる。
夢を語らなくなる。
本気だった頃の自分を、少し恥ずかしく感じることもある。

でも、本気だった過去は、恥ずかしいものではありません。

たとえ結果が出なかったとしても、
何かに本気で向き合った時間は、あなたの中に残っています。

もし今、あなたが毎日の中で虚無を感じているなら、一度だけ思い出してみてください。

昔、本気だったことはありませんか。
時間を忘れて打ち込んだことはありませんか。
誰かに理解されなくても、好きで続けていたことはありませんか。
本当は、もう一度向き合いたいことはありませんか。

それは、すぐに仕事になるものではないかもしれません。
今すぐ人生を変える答えでもないかもしれません。

でも、あなたが自分の人生をもう一度選び直すための、最初の火種になる可能性があります。

僕は、音楽に本気だった頃の自分を、今では否定しないようにしています。

遠回りもありました。
挫折もありました。
うまくいかなかったこともあります。

でも、あの頃の本気があったから、今もまだ諦めきれていない自分がいます。

過去の本気は、消えたわけではありません。

形を変えて、今の自分を支えていることがあります。

あなたの中にも、まだ眠っている本気があるかもしれません。
その記憶を、もう一度使い直すことから、人生は少しずつ動き始めます。

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