メモ帳ひとつで虚無の時間を変えようとしていた頃

どうも、ススムです。

僕は昔から、よくメモを取っていました。

立派なノートではありません。
きれいに整理された手帳でもありません。

小さなメモ帳だったり、ガラケーのメモ機能だったり、スマホのメモアプリだったり。
その時に使えるものへ、思いついたことを残していました。

なぜそんなことをしていたのか。

それは、仕事や日常の中で浮かんだ違和感を、そのまま消したくなかったからです。

工場で働いている時。
派遣の現場に向かう時。
休憩時間にぼんやりしている時。
夜勤明けで疲れている時。

ふと、いろいろな言葉が浮かびました。

「このままでいいのか」
「この時間を何かに使えないか」
「自分は本当は何をしたかったのか」
「今の経験は、いつか誰かの役に立つのか」

でも、そういう言葉はすぐに消えていきます。

作業に戻れば忘れます。
人と話せば流れます。
疲れて眠れば、次の日にはぼんやりしてしまいます。

だから僕は、とにかく残そうとしていました。

一行でもいい。
単語だけでもいい。
まとまっていなくてもいい。

その時の自分が何を感じたのかを、未来の自分に渡すような感覚でした。

当時のメモは、決して格好いいものではありません。

弱音もあります。
不安もあります。
怒りもあります。
何度も似たようなことを書いている時もあります。

でも、今振り返ると、そのメモには意味があったと思っています。

なぜなら、何も残らなかったはずの虚無の時間に、小さな痕跡が残っていたからです。

ただ働いて、疲れて、寝るだけなら、その日は消えていきます。

でも、一言でもメモが残っていれば、そこには自分の本音があります。
その時の違和感があります。
未来に使える材料があります。

僕にとってメモは、特別な才能を伸ばすための道具というより、
自分の人生を手放さないための道具でした。

何もできていないように見える日でも、何かを考えていた。
動けない日でも、問いだけは残していた。
虚無の中にいても、自分の本音を完全には消さなかった。

それが、あとから自分を支えてくれました。

メモ帳ひとつで人生が劇的に変わるわけではありません。

でも、メモ帳ひとつで、時間の意味は少し変えられます。

ただ過ぎていく時間を、記録のある時間に変える。
消えてしまう違和感を、未来の材料に変える。
言葉にならない本音を、少しずつ見える形にする。

それは、とても小さな抵抗です。

でも、その小さな抵抗がなければ、僕はもっと早く虚無に飲まれていたかもしれません。

もしあなたが今、毎日がただ過ぎていく感覚に苦しんでいるなら、まずは一言だけ残してみてください。

今日、何に違和感を持ったのか。
何が虚しかったのか。
本当は何を変えたいと思ったのか。

それだけで十分です。

きれいに書かなくていい。
誰かに見せなくていい。
前向きな言葉でなくてもいい。

ただ、今のあなたを消さずに残す。

その小さなメモが、いつか自分の人生を選び直すための手がかりになることがあります。

ススム

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